気温が下がる冬には、体温を一定にキープするためにエネルギー消費量が多くなります。痩せ気味で被毛が薄い子は、特に食事の量と質に注意が必要です。
今回は代謝と循環を良くする食生活についてお話しします。
代謝と免疫力をキープ
冬は寒さのため体温が上がりづらく新陳代謝は下がり気味に。そのため免疫力も弱くなりがちです。
体を温める食事と適度な運動で健康管理を。痩せてしまわないように食事の量を調節し、良質なアミノ酸や代謝に欠かせない微量栄養素(ビタミン・ミネラル)を豊富に含む食事をすることが大切です。動物性のタンパク質、内臓肉や野菜・発酵食品などを適宜取り入れることで体をサポートできます。
体を温める食事
体に優しいのは旬の食材を使った食事です。
寒い冬の季節や寒い地方で採れる食材は体を温める効果があります。寒い冬をのりきる羊や鹿の肉、冷たい海からとれる青魚、冬が旬の根菜類など。また魚の血合い部分や赤身の肉には、鉄分などのミネラルが豊富なので滋養強壮にも良いです。発酵食品もおすすめです。逆に夏野菜や馬肉などは体を冷やすので、冬はほどほどに。野菜は消化できるように加熱してピューレ状にするのがおすすめです。また、冷蔵庫から出したばかりの冷たい食事も体の熱を奪い負担になることがありますので、少し温めて与えましょう。
適度な塩分や水分も体を温めて体液の循環をよくする効果があります。精製した食塩(塩化ナトリウム)ではなく、自然なミネラル分を含む海塩・岩塩などを少量、スープ状の食事に加えるのも良いですね。犬猫には過剰な塩分を懸念する飼い主さんが多いのですが、彼らにも適度な塩分は必要です。特に塩を全く加えない手作りごはんは、塩分が不足気味になりますので注意が必要です。
寒い冬のトッピングレシピ
●イワシやサバの水煮缶
人用の缶詰でOK!
●鹿肉・羊肉
ペットスタンス『鹿肉の水煮』 柔らかくておすすめ!
●ゆで卵
良質なアミノ酸をお手軽に増量できます。
●発酵食品
『フードにかける発酵パパイヤ生酵素』 顆粒で使いやすいです!
●冬野菜のピューレ+岩塩
人参、かぶ、カボチャ、ごぼう、白菜、カリフラワー、さつまいもなどに岩塩少々
●ポイント
☑ 十分な食事の量とタンパク質
良質なアミノ酸
☑ 代謝に欠かせないビタミン・ミネラル
内臓、血合い肉、旬の野菜、発酵食品など
☑ 寒い地方・寒い季節の食材
羊肉、鹿肉、青魚、冬野菜・根菜類など(夏野菜や馬肉は体を冷やす)
☑ 冷蔵庫から出して冷たいままの食事は与えない
☑ 適度な水分と塩分
自然塩がよい
統合医療栄養学セミナー講師、米国LVT(米国動物看護師)、生活習慣病予防管理士、ペット栄養管理士
米国にてLVT免許を取得後、犬猫のホリスティックな代替医療や栄養学について学び2017年に帰国。2012年より動物病院、獣医師等の医療従事者向け、飼い主さま向けに、栄養セミナー・手作り食セミナーを随時行っています。