白内障になる一番の原因は、「酸化」にあると思います。特に犬は、「老化」と「紫外線」の影響を大きく受けています。
路面から照り返される紫外線の影響も大きいです。目の位置が路面から数10㎝という高さですので、照り返される紫外線の影響を人よりも大きく受けてしまいます。
また寿命も延びているので、高齢になるほど「酸化」や「炎症」の影響を受けやすく、老化現象として白内障が発症しやすくなります。
症状が出る前から、抗酸化作用のある良いサプリメントを予防として取り入れていくことは、愛犬の健康を維持するために大切なことです。
白内障の進行
白内障の進行は大きく分けて、初発白内障→未熟白内障→成熟白内障と進行していきます。
サプリメントを与えるなら、白内障の症状が出る前から予防として与えるのがベストですが、初発白内障や未熟白内障などの進行レベルならば、私の経験では改善する可能性はあると思います。
ただし、何年もかかって初発白内障や未熟白内障になっていきますので、回復するのにも長い時間を要します。初発・未熟期にサプリメントを利用するのであれば、最低でも3〜6ヶ月ぐらいは持続して与え続ける必要はあります。
臨床家は諦めない
「サプリメントを食べてくれないので与えられない」という飼い主さまもいますが、今後どうしても薬を飲ませなくてはならない場合もあるかもしれません。その時に「飲ませられない」では、愛犬の健康を守ることができません。
ピルカッターなどで細かくしてフードに混ぜて与える、服薬補助剤( ゼリー、トリーツ等)やインプッターを利用するなど、様々な方法を試し、早めの内から対処してあげましょう。
臨床家は諦めないというのが1つのポイントです。
飼い主さまも愛犬の健康を持続できるよう、臨床家と一緒に、辛抱強く取り組んで頂きたいと考えています。
獣医師
一般財団法人 比較統合医療学会 前代表理事/東京医科大学 腎臓内科学分野 客員研究員/日本獣医畜産大学 獣医畜産学部獣医学科(現:日本獣医生命科学大学)卒/同大学、大学院獣医学研究科 修士課程修了/東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 博士課程修了/国内でも有数の外科手術治療実績をもつ