大事な水分補給
ペットが高齢になると心配になってくるのが腎機能です。
腎臓は体内の老廃物を血液から濾過して排出する重要な臓器です。口から摂取する水分が足りなかったり脱水していたりすると濃い血液、いわゆるドロドロ血になり腎臓にも負担がかかります。普段ドライフードを食べている子も多いと思いますが、水分豊富なウェットやナチュラルフードが理想的です。自然な食事は7〜9割が水分です。高齢になると飲水量が減る傾向がありますので、食事に含まれる水分から自然に摂取するのが体への負担もなくおすすめです。ドライフードしか与えられない場合には、スープなどで意識的な水分補給を心がけましょう。
欠かせないタンパク質
腎臓病ではリンの摂取を抑えるためにタンパク質を制限される事も多いようですが、むやみなタンパク質制限は腎臓の健康にとって逆効果な場合もあります。
臓器全般に言えることですが、腎臓を含む内臓機能の維持には良質なアミノ酸(タンパク質)が欠かせません。必ずしも低タンパク食が腎臓病の進行を遅らせる効果があるとは限りません。ただし、腎不全の末期で尿毒症などの症状が出るようなら獣医師と相談してください。
動物性に比べ植物性のタンパク質はアミノ酸バランスが劣り、過剰なリンの摂取につながります。アミノ酸バランスがよく、消化吸収もよい良質な動物性のタンパク源(肉、魚、卵など)を十分量とることをおすすめします。
オメガ33脂肪酸とCoQ10
腎臓の保護が期待できるオメガ3脂肪酸やC o Q10などの栄養素を食事に取り入れることも効果的です。サプリメントでも良いのですが、身近な食材でも摂取可能です。
オメガ3脂肪酸は、飼い主の食事からお刺身や焼き魚をお裾分けしたり、さばやいわしの缶詰でも気軽に取り入れられますね。CoQ10は心臓肉(ハツ)に多いので、軽く茹でて茹で汁ごと与えるなどの方法がおすすめです。
腎臓のためのおすすめトッピング
①チキン骨スープ
こちらから作り方をご覧いただけます。
②たまご
スクランブルエッグや半熟卵など。
③魚の缶詰
水煮缶がおすすめです。
④魚のお刺身
人用の新鮮なアジ、イワシ、ぶりなど。
⑤心臓肉(ハツ)
軽く茹で、茹で汁も与えましょう。
統合医療栄養学セミナー講師、米国LVT(米国動物看護師)、生活習慣病予防管理士、ペット栄養管理士
米国にてLVT免許を取得後、犬猫のホリスティックな代替医療や栄養学について学び2017年に帰国。2012年より動物病院、獣医師等の医療従事者向け、飼い主さま向けに、栄養セミナー・手作り食セミナーを随時行っています。