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専門家インタビュー

歯周病は全身に問題を起こす感染症

成犬・成猫では3歳以上の約80%が歯周病と言われています。歯科専門病院も増えており、早めの受診が大切ですが、予防の最前線はご家庭のケアです。そこで犬と猫の歯周病の予防的治療法について、最先端のメソッドを獣医師に指導されている東京アレルギーセンター長の川野浩志先生にお話しを伺いました。

歯周病は感染症

【川野先生】人でも犬猫でも歯周病菌が全身の疾患に関わっていることが分かっています。
人では口腔内細菌が心臓、肝臓や胎盤・羊水、関節などに認められることが報告されています。
犬猫でも心臓、腎臓、肝臓に口腔内細菌が移行(トランスロケーション)することで様々な問題が出ます。特に心臓の弁に歯周病菌のグラエ菌が付着していることが検査結果から分かっています。
歯周病菌は、唾液を介して腸内細菌バランスを乱します。腸壁のバリア機能が低下し血液中に異物(菌・ウイルス・たんぱく質)が漏れ出す状態(リーキーガット)になり、体のさまざまな部位に運ばれ全身疾患へとつながっていきます。

また、虫歯の原因となるミュータンス菌が脳に行けば脳卒中、歯周病菌のジンチバリス菌が脳に行けば認知症を起こすという関連性が報告されています。
さらに歯周病菌の一種、フソバクテリウムが大腸がんの病相に検出されるなど、口腔内細菌が大腸がんの増悪化に関与していることが示されています。

エリスリトールの抑制効果

上図チャートのステージ4・5の段階になると歯磨きでは除去できなくなります。
虫歯菌に対して人ではキシリトールを使いますが、犬や猫の場合はキシリトールに中毒性があるため、より安心して使える「エリスリトール」を使用します。
実はエリスリトールの方がキシリトールに比べて口腔内細菌に対する抑制効果が高いということが分かってます。臨床的効果は
◎ 虫歯菌/歯周病菌を減らす
◎ バイオフィルムを破壊する
バイオフィルムは抗生物質や免疫細胞の攻撃を防ぐ歯石を形成する温床となっています。歯磨きだけではバイオフィルムを効率的に剥がすのは難しいため、エリスリトールの使用がとても有益です。
エリスリトールは砂糖の60〜70%の甘みを持っていながら血糖値には影響を与えず、人の歯周病予防では効果が実証されています。
さらにキシリトールやソルビトールと比べ、口腔内細菌に対してより明確な抑制効果があるということが報告されています。

下の写真は実際の症例です。

歯ぐきの腫れに対して、本来は抗生剤を使いたいところですが、エリスリトールのジェルを1日2回塗ったところ、なんと塗布して2日で腫れが引きました。静菌効果が非常に高いことを経験しました。

予防の最前線を支えます!

【PS スタッフ】 飼い主さまが一番わかりやすく歯周病に気がつくのは、口臭です。軽度の場合は少し臭うなと感じるくらいですが、重度となると顔をそむけたくなるくらいのにおいを発します。口の中をよく見ると歯石がついていたり、歯茎が赤く腫れていたりします。
歯周病は口臭がきつくなるだけでなく、全身の臓器に問題を起こす可能性が高い感染症です。
口腔内細菌をしっかりとケアするということは、様々な病気を進行させない予防策として非常に重要になってきます。
ペットスタンスでは、「物理的な除去」+「口腔内の細菌バランスの正常化」で問題菌の異常な繁殖を抑制するという歯周病ケアをご提案しています。
ご家庭での予防法を実践する事で、疾患のリスクを抑え、快適な生活を送ることができると考えています。

【まとめ】

①歯周病も虫歯も感染症
効率的にコントロールすることが重要です。
②過剰な増殖を抑える
エリスリトールは口腔内細菌の増殖を効率的に抑制します。
③腸内環境に影響
腸内細菌の乱れを食い止めるためにも適切な口腔内ケアが必要です。
④口腔内の乱れで疾患に
特に心疾患に関わっているということが既に報告されているので、疾患予防のためにも口腔内ケアは非常に重要です。
⑤ 歯磨き+口腔内の静菌制御
プラークをコントロールするために歯磨きは重要です。それに加えてエリスリトールの使用で歯周病菌や口腔内細菌の乱れを静菌、制御します。

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