
愛犬・愛猫の健康のために、私たちは「何を食べさせるか」を大切に考えます。
でも、もう一つ忘れてはいけないのが、食べたものをきちんと消化し、必要なものを体に取り入れられているかということです。
「今の人や動物は、食べるものが豊かになった一方で、本来の〝消化する力〞を十分に発揮しにくくなっているのではないか」
そう話すのは、「土壌菌」に着目した『土のフローラ』の開発者・佐々木淳さんです。
「土壌菌」との出会い
佐々木さんと「土壌菌」の出会いは27年前。
岐阜県のとある牛舎を訪れた際、悪臭がしないことに驚きます。
酪農家の話によれば、「ある細菌で発酵させた飼料を牛に与えているから」とのこと。
牛は抗生物質などの投与によって腸内細菌のバランスが崩れると、便が腐敗して悪臭を放ち、肛門が傷ついて痔になりやすくなるのですが、この発酵飼料を食べると、痔が治り、便の悪臭がなくなるというのです。
当時、重度な痔に悩み人工肛門すら覚悟していた佐々木さんは、藁にもすがる思いで自ら試してみました。
するとわずか3日で出血が止まり、1ヶ月後には痛みやかゆみも感じなくなりました。便のにおいにも変化を感じたそうです。
「いったい、何が起きたんだろう?」
もちろんこれは佐々木さん個人の体験ですが、その驚きと探究心から、その〝飼料〞について調べ始め、その中に含まれていた細菌に注目するようになりました。
複数の菌が存在する多様性
そして、菌についてさまざまな実験を重ねていきます。野菜を育て、土を変え、エスカルゴを飼育し、さらには鯛の養殖まで実践しました。
「菌がいることで何が変わるのか」
を、対象を変えながらひとつひとつ確かめていきました。
そうした長年の試行錯誤を経て見えてきたのが、「一種類の菌だけを見ない」という考え方でした。
土の中には非常に多くの微生物が存在し、それぞれが異なる役割を担っています。土壌中の有機物は、さまざまな微生物の働きによって分解され、ミネラルとなり、さらに植物が吸収しやすいようにキレート化されます。
植物がよく育つ「健康な土」では、一種類の菌だけが働いているのではなく、多様な微生物がバランスを保ちながら共に活動しています。
動物の腸と腸内細菌の関係は、「植物の根と、土の中の多様な微生物(土壌菌)の関係」と同じです。

植物は、土壌中の微生物が有機物をミネラルにまで分解することで、それを根から吸収し、成長することができます。
「菌は一種類だけで生きているわけではありません。いろいろな菌が一緒にいて、それぞれの役割を果たしている。大切なのは〝菌のチーム〞なんです」
この考え方をもとに生まれた『土のフローラ』には、自然界のように多様な土壌由来の菌を一緒に取り入れることを目的に、11種類の乳酸菌を含む100種類以上の土壌細菌群が用いられています。
多様な菌と共に生きる
食べたものを分解し、必要なものを取り入れ、不要なものを外へ出す。
そうした働きに大きく関わっているのが〝腸〞です。
特にシニア期の愛犬・愛猫では、若い頃と同じ食事をしていても、食欲や便の状態などに変化が現れることがあります。
「いいものを食べることはもちろん大切。でも、それをきちんと分解できる環境があるか。僕はそこに目を向けてほしいと思っています」
土壌菌については、人を対象とした臨床データも報告されています。
『土のフローラ』の継続摂取によって、糖代謝や脂質代謝に関する数値に変化が認められました。

佐々木さんが土壌菌に出会ってから27年。自分の体に起きた驚きから始まった探究は、動物、植物、土へと広がり、今、「多様な菌と共に生きる」という一つの考え方につながっています。
土壌菌と愛犬・愛猫の健康との関係には、まだ科学的な検証が必要な部分もあります。
だからこそ、これまでの経験を経験だけで終わらせず、動物でのモニターや客観的なデータを重ねていくことも、これからの大切なテーマです。

愛する家族が、年齢を重ねても、おいしく食べ、穏やかな毎日を過ごせるようにーー。
その第一歩は、「何を食べるか」とともに、「きちんと消化できる体の環境」を考えることかもしれません。

ペットスタンス 店長
ペット栄養管理士/愛玩動物飼養管理士1級/ペットフード販売士

