ペットの高齢化に伴い、白内障などの目のトラブルに悩むワンちゃんが増えています。目は臓器の中でも代謝が盛んな器官で、紫外線や乾燥、そして最近ではLED光などのストレスにより常に活性酸素のダメージにさらされているため、各種ビタミンと抗酸化物質が豊富な食事が欠かせません。
各種ビタミン
目の健康で有名なのはビタミンAやβカロテンです。欠乏すると夜盲やドライアイなどの原因になります。涙の分泌を促進し目の表面の潤いを保ちます。また細胞の新陳代謝を助け、神経や粘膜を健康に保ちます。欧米では「人参を食べると目が輝く」と言われています。
栄養素の代謝に関わるビタミンB群は、網膜の健康や視神経の働きを助けます。またビタミンCやEには抗酸化作用や血行促進作用があり、白内障や目の老化予防に重要です。
これらビタミン類は動物性食品以外に野菜や果物などにも豊富に含まれるため、偏らずにいろんな食材を摂取しましょう。
抗酸化物質
ストレスを受けやすい目の健康にはポリフェノール類などの抗酸化物質も重要です。ブルーベリーやビルベリーのアントシアニンは有名ですね。さつまいも、いちご、リンゴ、紫キャベツ、黒豆、黒米など、紫色の食材にも含まれますが、ブドウは犬猫にとって毒性があるので与えてはいけません。
ルテインとゼアキサンチンは、黄・橙色の植物に含まれるポリフェノールで、目の奥の黄斑細胞を酸化ダメージから守る働きが注目されており、どちらも紫外線やブルーライトなどの有害な光から目の細胞を保護すると考えられています。他の野菜や果物にも様々な抗酸化物質が豊富に含まれますので、積極的に食事に取り入れましょう。
オメガ3脂肪酸
DHA・EPAといえばマグロの目で有名ですが、青魚全般に豊富含まれます。網膜細胞の健康や視神経の発達には欠かせません。
アイケアレシピ
●緑黄色野菜のピューレ
植物の有効成分は硬い細胞壁の中にあり、そのままでは消化吸収が困難です。柔らかく加熱し、ピューレ状にして与えましょう。
[作り方] 野菜と同量の水を鍋に入れ、蓋をして弱火で20 分くらい加熱します。粗熱をとってからハンドブレンダーでピューレ状にします。少量の脂肪分を加えると消化吸収が良くなります。
・参考① 人参とさつまいものピューレ
バターを少量加えます。
・参考② ブロッコリーとほうれん草のピューレ
バターを少量加えます。ほうれん草はシュウ酸を除くため、事前に茹でてから使用します。
●リンゴと小松菜のスムージー
リンゴと小松菜を合わせた分量と同量の水をミキサーでスムージーにします。アントシアニンが豊富なブルーベリーを数粒加えるのもGoodです!
統合医療栄養学セミナー講師、米国LVT(米国動物看護師)、生活習慣病予防管理士、ペット栄養管理士
米国にてLVT免許を取得後、犬猫のホリスティックな代替医療や栄養学について学び2017年に帰国。2012年より動物病院、獣医師等の医療従事者向け、飼い主さま向けに、栄養セミナー・手作り食セミナーを随時行っています。