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シニアフードにご用心

一般的に犬も7歳からは「シニア」と呼ばれ、シニアフードを勧められることも多くなりますね。犬の7歳は人に換算すると小型犬では約40歳、大型犬は約50歳に相当します。人間も40歳といえばまだまだ若く働き盛り。「シニア」と言われたら怒る人もいるでしょう。

15歳以上長生きする犬が珍しくない現代、7歳といえば折り返し地点にあたり、まだまだ若く活動的なワンコが多いのが現状です。加齢を遅らせ、健康生活を末長く送るためには、適切なフード選びが欠かせません。「○○歳になったから」と自動的にシニア食にしてしまうと逆に加齢を加速してしまうことにもなりかねません。
以下に市販のシニアフードの特徴と注意点を挙げてみます。
ペットスタンス ワンだふるLIFE 2018年5-6月号

NG① 年齢だけでフードを切り替える

一般的に、8歳以上の犬は同じ犬種の6歳以下に比べて消費カロリーが2割ほど少ないといわれており、肥満予防のためにカロリー低め、繊維質多め、タンパク質少なめの栄養価が低いシニアフードが多く見られます。しかしカロリーを減らすために栄養が足りなくなっては困ります。
実際には、栄養素の消化吸収能力が高齢に伴って低下するため、後ほど説明する「タンパク質を中心としたシニアに必要な栄養素」を、若い時よりもしっかり摂取することが重要になってきます。

また、活動量には個体差が多く、シニア食にしてから「痩せてきた、毛艶が悪くなった」など、目に見えた変化がある時は特に注意が必要です。
(若い頃に比べて)活動量が減っていないのに早急にシニアフードにする必要はありません。
ペットスタンス ワンだふるLIFE 2018年5-6月号

NG② 足りないタンパク質

高齢になると腎臓への負担を軽くするなどの目的でタンパク質少なめ(乾量で20%以下)のシニアフードが市場には溢れています。しかし実際には、高齢期には若い時に比べてタンパク質の要求量が50%も増加することが、犬の研究で示唆されています。
また、腎臓病の犬でも、高タンパクの食事が病気を進行させることはなく、反対に低タンパク食を与えた場合は予後が悪くなる可能性があることが、数々の研究でわかってきました。
高齢になると、消化吸収能力が低下するだけでなく、吸収したアミノ酸から体内で必要なタンパク質を再合成する機能も衰えてきます。
一方、加齢により病気や感染などのストレスが増加するのに伴って、体が必要とするタンパク質やビタミン・ミネラル・抗酸化物質などの微量栄養素の量は増えていきます。
また、健康な内臓機能(心臓、肝臓、腎臓ほか)を維持するためにも良質なタンパク質が重要な役割を果たしますので、不足すると内臓の加齢も進んでしまいます。
さらに、筋肉量をできるだけ維持して、長く健康な生活を楽しんでもらうためにも良質なタンパク質をたっぷり摂ることが重要なポイントとなってきます。
消化吸収能力が低下するシニア期には、消化吸収がよく生体利用価が高い「良質な動物性タンパク質」を十分摂取することが理想です。維持期よりは多め、成長期よりは少なめを目安に、少なくとも乾量で25%以上のフードをおすすめします。低品質のたんぱく源を主原料とし、タンパク量も少ないフードは加齢を加速しかねません。

次にお話するシニアの体重管理用フードの中には、タンパク質が極端に少ないもの(18%以下)も多いため注意が必要です。タンパク質不足で筋肉量が落ちてしまうと、基礎代謝が低下してダイエットにも致命的である他、加齢も進んでしまいます。逆に、健康的な減量のためには高たんぱくの食事が効果的であることが犬の研究でわかっています。
ペットスタンス ワンだふるLIFE 2018年5-6月号

NG③ 多すぎる繊維質

健康な消化管と快便のためには適度な繊維質(ファイバー)は必要です。乾量で3%程度、多くても5%程度が望ましいとされています。
しかし、シニアフードには、繊維質が多すぎるものが見受けられます。特に「体重管理用(ダイエット用)」のフードに多く、中には繊維質が15%もあるものもあります。15%のフード100g中に、人参500gに相当する繊維質が含まれる計算・・・。ワンコの食事でこんなに大量の野菜は食べられません。
繊維質は多すぎると消化吸収を妨げますし、腸内に長くとどまって発酵しガスが出るなどの問題も起きてきます。そのため消化吸収能力が落ちているシニアにとって望ましくありません。

●良質なタンパク質を十分に与えること

シニア犬の健康のためには、栄養不足が加齢を加速するダメージとならないように気をつける必要があります。
肥満防止のためにカロリーを抑えるのではなく、カロリー比で栄養価の高い(栄養素が濃い)食事を与えることが大切になってきます。
良質な動物性の肉・魚・卵など、必須アミノ酸をトータルに含み、生物利用価が高く、かつ消化吸収しやすい「良質なたんぱく源」を十分与えることが理想です。

元来は肉食である犬にとって、タンパク質は体の機能を維持するために肝心要な栄養素。良質なたんぱく源をしっかり食べ、さらに適度な運動を心がけることで、筋肉量を維持しながら、免疫力や内臓機能も維持されます。その結果、加齢を遅らせ、将来のQOLにも大きく影響します。
ペットスタンス ワンだふるLIFE 2018年5-6月号

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