毛細血管は全身の血管の99%を占めています。この微細な血管が細胞レベルで栄養を運んだり、老廃物を回収したりしてくれるおかげで体は健康を保っていられます。
老廃物を排出する臓器である腎臓は毛細血管のかたまりです。毛細血管をケアすることで腎臓機能のケアにも繋がります。
毛細血管ケアのために
・活性酸素を減らす(抗酸化物質)
・血流を良くする(水分摂取と運動)
体内では通常の代謝に加えて、ストレス・病気などによって常に活性酸素が生まれていますが、食事からの良質なアミノ酸や必須脂肪酸、ビタミン・ミネラル、抗酸化物質などの栄養素によって上手に対応することができます。これらが不足すると血管内の炎症が促進されて、腎臓もダメージを受けます。また、日頃から十分な水分摂取を心がけ、適度な運動で血流を良くすることで体の隅々まで栄養が届き毛細血管も元気になります。
腎ケアのための栄養
腎臓病の子には低タンパク質のフードが勧められることがありますが、腎臓自体の健康にタンパク質は欠かせません。尿毒症などの症状がある場合はリン吸着作用のあるサプリなどを上手に利用して管理しましょう。
また、血糖値のスパイクを避け、血液の糖化を予防するためにも糖分(炭水化物)多めの食事はひかえましょう。良質なタンパク質と脂質を十分に含み、適度な食物繊維も摂れる食事がお勧めです。
抗炎症作用が期待できるDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸は腎臓ケアに特におすすめです。植物性の亜麻仁油、エゴマ油などにもオメガ3系のαリノレン酸が含まれますが、犬猫の体内ではDHAやEPAに変換されにくいと考えられますので、お魚などの動物性食品から直接摂るのが理想的です。オメガ3系の脂肪は酸化しやすいため、できればビタミンEとセットで摂りましょう。
コエンザイムQ10が豊富な心臓肉(ハツ)もお勧めです。軽く茹でておやつに与えると喜ばれます。ゆで汁にも栄養が豊富ですので、食間の水分補給に是非与えてみてください。
おすすめオヤツ♪
コエンザイムQ10たっぷり★
【心臓肉のおやつ】
1)沸騰したお湯に鶏ハツ( 丸ごと)または豚ハツ(スライス)を入れ1分ほど茹でたら火を止めて予熱で加熱します。
2)ゆで汁にも栄養素が含まれているので捨てずに食間に与えることで水分補給になります。ゆでたハツは冷蔵庫で3~4日保存できます。
3)ゆで汁は与えやすい容器に入れて冷蔵庫に保存しておくと便利です。
DHA& EPAたっぷり★
【サバの水煮缶のおやつ】
1)必ず水煮缶を選びます。少々塩分が含まれていても大丈夫です。中骨まで柔らかいので骨ごと与えられますが、骨にはリンが豊富なので腎臓病の子には中骨は与えない方がよいでしょう。
2)もちろん新鮮な魚を調理してもOKです。
3)イワシの水煮缶でもOK
統合医療栄養学セミナー講師、米国LVT(米国動物看護師)、生活習慣病予防管理士、ペット栄養管理士
米国にてLVT免許を取得後、犬猫のホリスティックな代替医療や栄養学について学び2017年に帰国。2012年より動物病院、獣医師等の医療従事者向け、飼い主さま向けに、栄養セミナー・手作り食セミナーを随時行っています。