保護犬との出会いや触れ合いが犬の保護活動の支援につながります!
保護犬を幸せにする集いの場 キドックスカフェ
カフェの店内は木の柵で間仕切られた半個室になっており、保護犬とゆっくり接することができます。料金は時間制(飲み物・デザート・犬のオヤツ付)で、ここでの収益金は、犬の保護活動費になります。
訪れる人は里親希望者だけでなく、動物に触れ合える場として気軽に来られる方も多く、ご家族やカップル、友人とご一緒など様々です。近隣の方もいれば、取材で訪れた日は、他県ナンバーの方もいました。
でも全てのワンちゃんがすぐに譲渡が可能なレベルになっているわけではなく、人と触れ合うトレーニングがもう少し必要なワンちゃん達もいます。
一般のお客様と触れ合うことも、トレーニングの重要なプログラムとなっているのです。
カフェで通された個室で、偶然にもファームで気になっていた保護犬のデイジーに再会することができました。
《保護犬デイジーとの出会い》
ファームで上山さまからキドックスの活動やプログラムについてお話を伺う中、私たちに怯えながら散歩に出かけて行ったワンちゃんがいました。そのしぐさ、視線や表情がとても心配になる子がデイジーでした。
カフェには、保護された状態や社会化プログラムを受けた今が分かるように、在籍している一頭一頭の犬生がアルバムになっており、デイジーがなぜこのような怯えた行動をするのかが分かりました。
デイジーは一人暮らしのおじいさんの住む一軒家の庭で飼われていましたが、なんと70頭を超える兄弟達と一緒に暮らしていたそうです。
この飼い主さまが亡くなり、飼育崩壊が起こった現場からレスキューされたワンちゃんだったのです。
動物指導センターの職員さんや多くのボランティアさまの協力のもと、命をつなぐことができましたが、それまでまともに人と触れ合ったことがなく、人をとても怖がっていたそうです。
取材を行った時点では、まだプログラムの途中で、知らない人を怖がっていて、不安な心の状態が、しぐさや表情から見て取れました。
体に触られることにも慣れていないので「体には触れないでください」と、最初に説明を受けました。
ストレスに配慮してカフェにはまだ週に1回しか出ていないとのことで、この日に出会えたのは偶然とも思えませんでした。大好きなオヤツをあげながら会話をしていくと、まだまだ表情は固いものの少しずつ心を開いてくれました。
顔を触らせてくれたり、手をペロペロと舐めてくれます。表情も少しずつ解きほぐされていくのが分かりました。
他のワンちゃん達とも触れ合い、あっという間に時間は過ぎていきます。
名残惜しいですが、今後はプログラムを通じて徐々に人にも慣れ、「新しい家族と一緒に楽しく暮らせる日が来るはず! 」と期待しつつ、カフェ見学は終了しました。
《社会問題とのつながりに》
飼育崩壊の現場に入ると、飼い主さまの精神的・肉体的な問題や独居など、人の社会問題とつながるケースが多々あるそうです。
動物の保護という側面だけではなく、飼う側の人の問題も解決するような視野を広げた取り組みが、社会全体に求められているのかもしれません。
人と動物の福祉の中心となるようなヒューマンアニマルコミュニティセンターの設立は、多くの方にこのような問題があることを知らせ、解決していくモデルとなることでしょう。
今後はフードの支援だけでなく、キドックスの活動を発信することでも、上山さまのビジョンや想いを応援していきたいと思います。
キドックスカフェ
営業日:月・土・日・祝日 11:00~18:00 ( L.O. 17:30)
保護犬と出会えることができ、カフェの売上が保護活動の寄付になります。
https://cafe.kidogs.org/
ペットスタンス 店長
ペット栄養管理士/愛玩動物飼養管理士1級/ペットフード販売士